なぜ(パパでもない創業者が)働くパパママ向けのサービスをはじめたのか

採用面接のときに100%、
「なんで(増山さんは子供いないのに)働くパパママ向けのサービスを選んだんですか?」
とご質問をいただくので、回答をそのまま記事にしちゃおうかと思います。

はじまりはともかくミッションから

起業すると決めた段階ではミッションは決めていましたが、事業やプロダクトはアイデアを書き溜めてあるだけで、具体的にどれにするかは決まっていない状態でした。

「人々が自分らしさを追求し、いきいきと暮らす世界を創りだす」というミッションの枠組み、つまりはWILLとCANの一致を促し余計なMUSTを排除するというアプローチの中で、誰にどんな価値を提供しようかをまずは決める必要がありました。

本当は自分が抱えている課題からスタートできると一番良いのかなと思ったのですが、残念ながらなにか具体的な障壁や我慢ならないようなペインは抱えていませんでした(自分自身が1番ミッションを体現したいという気持ちはあったけど)。

そのため、自分の課題をネタにサービスを生み出すアプローチは諦め、周囲で自分らしさの追求にネガティブを抱えている人がいないか探すことからはじめました。

働くパパママ、特にワーキングマザーが抱えるペイン

周囲を見ていると年齢的にもだんだんと働くパパママが増えていました。

「仕事と育児の両立」「フルタイムか時短か」みたいな話が特にワーキングマザー側から聞こえてきていました。正直なところ、私は当事者じゃないので両立がどれだけ大変かは想像すらできませんでした。

ただ、あるとき弊社の三浦(当時はまだ前職に在籍)が帰宅するのに同行して

仕事帰りの保育園のお迎え → 子供二人を連れて帰宅 → ご飯をつくる → 食べさせる → お風呂に入れる → 寝かしつける・・・

の一連の流れを見て体験させてもらう機会がありました。

そうすると、お迎えの18時ぐらいから寝かしつけが終わる21時、22時ぐらいまで家事育児にかかりっきりで、大人同士でゆっくり話す時間がとれないんだなということに気づきました。

その当時、三浦はフルタイムで7時台とか8時台から出社して働いていたので、毎朝6時台に起きて、7時台・8時台から働いて、17時台にお迎え、21時台まで家事育児という生活を毎日続けていたことになります。

自由の身の自分からしてみれば、(もちろん慣れはあると思うけれど)それだけ日々拘束されて生活しているのはかなり大変だろうなと率直に思ったし、周囲からは当たり前のことだと思われているからなお厄介な問題だと感じました。

夫婦ともにフルに近い形で働いている両立家庭は、常に時間的・体力的にギリギリの緊張状態にある。つまりは仕事の負担をコントロールするか、家事育児の負担を減らすかに対して大きなニーズがあるだろうと思ったのです。

個人のライフスタイルの変化と社会の変化のギャップからニーズが生まれる

統計を見ていると、子供がいる家庭における共働き対専業主婦の比率は平成9年に逆転しています。いまでは70%ほどが共働き家庭です。一方で女性が正規雇用の場合に絞るとまだ20%弱しかありません。パートタイムや派遣のほうがメジャーなのです。両立の大変さから、妊娠をきっかけに離職する方も多い。

ただ、近年の傾向としては正規雇用を選ぶ方が増えてきています。仕事と育児の両立を選ぶ個人は増えている。個人の価値観の変化は早いけれど、社会の変化(慣習、社会通念、ルールなど)はゆるやかだから、そこのギャップによって様々な自分らしさに対する課題が生まれ、ビジネスチャンスが出てくると思っています。

というのが、働くパパママ向けのサービスをはじめようと思ったきっかけです。向こう数年は働くパパママ市場を深掘りしたいと考えています。

※ミッションとしては対象を絞っているわけではありませんので、長期的には違う層を対象とする可能性もあります。