スタートアップは人数が少ないからこそ、ありとあらゆるバックオフィス業務をクラウドサービスで効率化したほうが良いなぁと思います。一定大きくなった企業であれば、自分の主要な役割以外のことは、他の誰かがやってくれるのが当たり前でした。たとえば、なにか郵便を出すのも、厚生年金に加入するのも、支払いや入金確認も、業務用のパソコンを買うのものです。大きな組織であれば、それらのバックオフィス専任で人を雇うこともできるけれど、スタートアップはそうもいきません。一番大きな負担は、固定費である人件費だから、そこはなるべく軽くしたいというのが経営者の心情です。
さて、そこでおすすめしたいのが、以下に記載するクラウドサービスです。各サービスは労務、会計、売上や入金の管理を効率化、自動化してくれて、しかも毎月の利用料が数千円の範囲内です。すべてを使っても、月額で1万円から2万円ほどしかしません。非常に安く、コストとして気にならないため、リアルミーでは受注が発生する前から、従業員が増える前から使い始め、これらのサービスを前提とした業務フローを構築しています。いざ、業務量が増えてから使い始めるとフローを見直す手間が出てきますから、逆転での発想で、これらのサービスを使う前提で全社の業務フローを設計してしまうのです。
そうすることで、リモートで働くパートタイマーもネットさえあればバックオフィス業務を一通りできるようになっていきます。大きな組織だと人も多く、業務フローも固まってきてしまっているので、こうしたサービスにの導入がうまくいかないことが多いのですが、スタートアップは柔軟なので早めに導入してどんどん効率化、自動化していくのが良いと思います。
リアルミーでは社内の共有フォルダ(G Drive)、スケジューラー(Google Calender)、メールソフト(Gmail)、各種オフィス(SpreadSheetなど)を使っています。コストも安く、スマートフォンアプリも揃っているため、仕事する場所を選ばないのが魅力です。
顧客管理、受注管理、見積書や注文書、請求書の作成、発送代行、入金管理、会計ソフトとの連携などがひとまとめになっている、経営管理ソフトです。請求書などの業務帳票を簡単につくれることと、販売管理システムを足しあわせたような内容になっています。SlackやChatWorkと連携することで、顧客の受注状況の変化や請求フローの進捗などをリアルタイムで追えるようになります。
freeeとどちらが良いかはお好みだと思います。法人の取引は振込やクレジットカードが多いと思いますので、口座情報やクレジットカード明細と自動連携してくれるのは便利です。
契約締結をクラウド上でできるサービスです。一般の商取引ではまだまだ使われていませんが、たとえばフリーランスとの契約ではCloudSignを使うことに躊躇ないケースが多いですから、スタートアップは活用機会が多いのではないでしょうか。
従業員が増えるたびに年金事務所に行くのは手間ですが、SmartHRだとそれが電子申請できるようになります。また、その他の入社時の対応など、日々発生する細々としたことを自動化できます。人の出入りがあるスタートアップだからこそ、活用価値が高そうです。
冒頭に書いた”効率化”と矛盾するようですが、リアルミーではこうしたバックオフィスは外注せずに、クラウドサービスで極力省エネ化する前提で、自前でやっています。自前でやると、世の中の制度の根本を理解できて主体的にコントロールできるようになったり、各種クラウドサービスへの感度が高くなったりするだろうと思うからです。世の中、まだまだ非効率な部分が数多ありますから、こうしたサービスを触ることは事業アイデアへのインプットにもなると思います。
増山 祥紘